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G.17.4.1.3 プッシュオーバー解析の目的

プッシュオーバー解析は、パフォーマンス目標の達成という観点から構造基準が表現される方法論を指すパフォーマンスベースの解析です。これは、構造基準が規定したレベルのせん断力から生じるメンバー力の制限によって定義される従来の方法とは対照的です。

パフォーマンスレベルは、特定の建物と特定の地盤動にとって満足できると考えられる制限損傷条件を表します。制限条件は、建物内の物理的損傷、損傷によって引き起こされた建物の居住者の生命の安全に対する脅威、および建物の地震後のサービサビリティによって説明されます。基本的なアプローチは、建物の予想される耐震性能を改善するか、そうでなければ既存のリスクを許容可能なレベルまで減らすことです。

パフォーマンスベースの設計手順の2つの重要な要素は、必要性と耐力です。必要性は、建物が受ける地震の地盤動または揺れを表しています。非線形静解析手順では、必要性は、構造が受けると予想される変位または変形の推定値によって表されます。耐力は、地震の必要性に抵抗する構造の能力を表しています。パフォーマンスは、耐力が必要性を処理できる方法によって異なります。言い換えれば、構造物は、構造物の性能が設計の目的に適合するように、地震の必要性に耐える能力を持っている必要があります。パフォーマンス目標は、指定されたレベルの地震のパフォーマンスに対して、最大許容の(または受容可能な)構造的または非構造的損傷を指定することによって一般的に説明される、建物の望ましいレベルの耐震性能を得ることです。

プッシュオーバー法を使用する非線形手順には、次の2つがあります。

  1. 耐力スペクトル法
  2. 変位係数法